小児在宅医療支援研究会理事 前田浩利

明けましておめでとうございます。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日々のお仕事で様々な影響を受けられながら、子どもたちのためにご尽力されておられることと存じます。さて、小児在宅医療支援研究会会員の皆様にお願いがございます。

現在、メディアで取り上げられることも増えてきたこともあり、医療的ケア児に関して社会の関心が高まり、同時に今年4月の障害福祉サービス等の報酬改定でも新医療的ケアスコアに基づく医療的ケアへの支援が新設される方向に進んでいます。また、超党派の国会議員及び厚労省、文科省、内閣府合同の勉強会である「永田町子ども未来会議」のメンバーを中心に議員立法で「医療的ケア児支援法」が近々、国会で審議されます。この医療的ケア児支援法は、医療的ケア児の支援を障害福祉としてのみではなく、子育て支援の一部と位置付けることを目指しています。そのため、医療的ケア児を医療的ケア(人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引など医療行為であってその対象となる者が日常生活及び社会生活を送るために受ける必要があるもの)が必要な18歳未満の児童及び18歳以上でも高等学校に在籍するもの、とし、日常生活及び社会生活における切れ目のない支援、どこに居住していても同じ支援を受けられること、個々の医療的ケア児の状況に応じた関連機関の連携の下の支援、児童でなくなった後にも接続したシームレスな支援、医療的ケア児とその保護者の意思の尊重を基本理念とし、国、地方自治体、保育所及び学校の設置者などの責務を明らかにしています。更に医療的ケア児支援の拠点として、各都道府県に医療的ケア児支援センターの設置を義務づけています。

今後の医療的ケア児支援、小児在宅医療の浸透のためにも、「医療的ケア児支援法」の成立は非常に重要と考えます。その成立を後押しするために、当事者の声を集め、国会に伝える必要があると思います。同時に、今後の医療的ケア児支援のためにも、当事者間のネットワーク創りは非常に重要と考えます。そのために、添付の資料にあるような、家族連絡会を、本研究会の中に立ち上げ、野田聖子衆議院議員にその代表になっていただきたいと考えています。この家族連絡会は、既に全国に立ち上がりつつある医療的ケア児の親の会や家族会と並立するものでなく、そのような会を緩やかにつなぐものとして位置付けたいと考えております。何卒、本会のご主旨を御理解いただき、会員の皆様が関わっておられる医療的ケア児のご家族や、もしご家族の会が既にあるようなら、その会の責任者の方にもお声かけいただき、「小児在宅医療支援研究会 家族連絡会」へのご参加を勧めていただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。